母の実家がお寺だったこと、そもそも信仰の篤い越前に生まれたこと。
私にとって仏教は身近なものでした。
お堂の真ん中が囲ってあって、天井からキンキラキンの飾りが下がってて、奥にご本尊があって、
今は亡き祖父がむにゃむにゃとお経を上げている。それを檀家さんが頭を垂れて聴いている。
お経の内容なんてさっぱり分からなかったけど、子供心に不思議な空間だと思いました。
大人になって、桑田佳祐のライブに行って「銀河の星屑」という曲を聴いた時、
ステージの演出を観て「法要ってライブだったんだ」と直感しました。
ロックスターはみんなを代表してお経を上げるお坊さんで、日常とは異なる空間を演出しながら、
人生で大事なことを語りかけたり、何かに祈ったりする。
だったら、逆にライブの演出とかを法要に取り入れても良いんじゃないか・・・
そうこうしてたら、越前のあるお寺で「テクノ法要」なるものが始まったと聞き、
ネットで動画を探して観たのですが、これにはたまげました。
プロジェクションマッピングを使い、テクノミュージックに乗せてお経を上げる。
お堂の中で「法要×ライブ」という図式ができていたのです。
このお寺の住職はPerfumeのライブを観た時に着想を得たと言っていました。
確かに「Dream Land」という曲などは、歌詞といい曲調といい現代版の「阿弥陀経」かもしれません。
あと、お寺ってお堂といい境内といい、ちょっとした集まりをやるには丁度いい広さのような気がするんです。
実際、私の地元の武生では、お寺でコンサートやハッカソンをやっているところがありました。
城下町あるあるとして、町外れにお寺がいくつも並んでいて「寺町」なんて呼ばれている一角があったりしますが、
一国一城令のせいで表立って新たな城を作れない各藩が、寺を出城代わりにしていざとなったら兵を配置できるようにしていたんです。
当然、ある程度の収量力があるわけです。
ワークショップをやったり、コワーキングスペースにしたら面白いし、
そこに集まった人で仏教やお寺を面白くするアイデアや技術を開発する、なんてのもアリでしょう。
過去帳なんかも電子化すれば良いと思うんですよ。
問題は、どうディレクションして、必要な技術や人材をどう引っ張ってくるか。
まずは、お寺に人が集まる動きを起こしていきたいですね。