農業技術に標準歩掛って無いの?

農業技術を開発するとき,作業にかかる時間や負荷は重要だ.
こういうことを開発の最後の最後に問われると困る.
早い段階から現場でのコストを意識しないと,何のための技術かわからなくなる.


実は私は,大学院修士課程を出た後,
しばらく土木資材を扱う会社に身を置き,新資材の開発に関わっていた.
で,資材にはひとつひとつ「標準歩掛」というものを付けていた.
この資材を例えば100m設置するのに必要な資材の量と,
(ここが肝心なのだが)人手の量(=人工(にんく))を記した簡単な表だ.
土木工事を発注する国や自治体などは,これを元に積算して資材費や人件費を出す.
税金を使ってやる仕事だもの,何かしら算出根拠がないといけないわけで.


農業機械の諸元には,作業速度が書いてあるものもあるけど・・・
農業分野の場合、機械や技術を導入することでどのくらいの効率化になるかがイマイチわからん.
標準歩掛をもとにコスト・労力の削減が数字で示せれば,導入の是非を検討しやすくなるはずだ.
逆に開発する側も,今の仕事がどれだけのインパクトを持つのかが示しやすくなるから、予算とか取ってきやすくなると思うんだけどなあ.


もちろん,傾斜とか圃場面積とかで所要時間は変わるけど,
それは土木も同じで,そんなこと言ってたらキリがないから,
条件に応じて何かの係数をかけて補正できるようにすればいいと思う.